新生児との絆づくり

2017年8月21日月曜日

育児の心理学 子育て

こんばんは!
赤ちゃんにミルクをあげていると、睡魔に襲われる、たなこうです!

日常のリズムから切り離されて、赤ちゃんのリズムにあわせるだけの時間。
それが、思わぬリラックス、そして眠気をもたらしているのかもしれませんね。

もっとも、ミルクの後には、ゲップ対応が待っています!
うかうか眠くなってもいられないのが現状です…。

みなさんも、きっと歯を食いしばって、眠気に耐えていることと思います。

さて、

そんな生後間もない赤ちゃんですが、
一生懸命に抱っこして、毎日、愛情いっぱいに世話をしていたとしても、
赤ちゃんは、それがお母さんかどうか、まったくわかっていない、って知っていましたか?





心理学者ボウルビィ「愛着理論(アタッチメント理論)」では、
愛着行動の発達段階として、以下のように定めています。


第1段階(誕生〜12週)

「人物弁別をともなわない定位(orientation)と発信(signals)」
赤ちゃんは、まだ特定の人を区別することができません無差別に微笑し、手を伸ばし、喃語を言い、泣きます。

第2段階(12週〜6ヶ月)

「ひとり、またはそれ以上の特定の人物に対する定位と発信」
赤ちゃんの親密な行動が、他人よりも、母親や養育者に向けられるようになります。
なお、生後3ヶ月〜6ヶ月は、感覚鋭敏期でもあり、養育者への愛着を生じやすくなっています。

第3段階(6ヶ月〜2歳)

「発信ならびに動作の手段による特定の人物への接近の維持」
母親などの養育者に対する愛着行動が強化され、後追い行動などが見られるように。
また、逆に養育者以外の見知らぬ他人への恐怖や不安(人見知り)が現れます。


第4段階(2歳〜)

「目標修正的な協調性の形成」
愛着対象となる養育者と離れていても、しっかりとしたで結ばれ、養育者の存在が心の拠り所安全基地)となっている状態。
3歳くらいからは、養育者の感情や思考なども理解し、協調的な行動も見られるようになります。





また、アメリカの心理学者、マッコール(Robert B. McCall)は、次のようにも述べています。


要約

新生児期の親子の接触初期接触)は、必ずしも必要ではない
・初期接触だけで、親子の絆を永遠のものにすることもできない。
・親子の愛情ある豊かなを生みだすためには、継続的な関わりこそが必要である




ここまで見た内容をまとめると、新生児の赤ちゃんをいくら世話しても、意味がないように思えるかもしれません。

しかし、そうではないと考えます。

たとえ、赤ちゃんにとってお母さんの区別がつかなくても、
お母さんは、赤ちゃんをよく知っています。

なにもわからないであろう新生児のころでも、腕や腰が痛くても泣けば抱っこして、優しい声で語りかけ、どんなに眠くても一生懸命にミルクをあげて、じっと目を見つめてあやしてあげる、そんな「赤ちゃんを大切にする関係性」を続けることこそが、生後3ヶ月以降の絆づくりにとって、もっとも大切なことだと考えます。


絆とは、一日一日、少しずつ刻んでいくものです。

ある日突然に生まれるものでもなければ、豪華な食事やプレゼントによって生まれるものでもありません。
日々の地道な積み重ねによって、築かれていくものです。

目の前にいる、自分の赤ちゃんのために、どうすればいいか、どうしたら喜んでくれるのか、一生懸命に考えて行動しつづけている人こそ、乳児期以降の子どもの「安全基地」となることができる人なんだろうと考えています。

そんなお母さんに育てられた子どもは、基本的信頼感もバッチリです。
とっても暖かくて、頼り甲斐のある「安全基地」が、いつも心の中にあるから、勇気を持って困難に立ち向かうことができます

幼児教育は、3歳から始まるのではありません。
すでに0歳から始まっています。

でも、身構える必要はありません。
その赤ちゃんの笑顔を守りたい。そんな気持ちだけで十分なんだと思います。