この子に名前をつけよう!

2017年2月5日日曜日

妊娠出産 名付け


こんにちは!
墨田区の子煩悩「たなこう」です!

今日は、赤ちゃんが生まれたときに、必ずやらなければならないことについて書いてみたいと思います。
そう、「名付け」です!


◆本日のメニュー
1.基礎知識出生届など知っておくべき手続きについて紹介します
2.名付けの流儀こどもの名付けのヒントについて。キラキラネームテストも
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。




1.基礎知識

「名付け」とは?

赤ちゃんに名前をつけるために、やるべきことはたった1つだけ。
役所に「出生届」を提出するだけです。

この「出生届」ですが、「しゅっしょうとどけ」と読みます。
「出生届」の用紙は、右半面が「出生証明書」になっていて、出産を担当した医師や助産師が記入します。
用紙は役所の窓口でももらえますが、病院などが用意していることも多いので、事前に確認しておくとよいでしょう。

《サンプル》


出生届の提出方法

出生届は、赤ちゃんが生まれた当日を含み、14日以内に提出しなければなりません。
(日本国外で出産した場合は、3ヶ月以内)
たとえば、1/1(月)に生まれた場合は、1/14(日)までに提出する必要があります。
提出先は、住所地、本籍地、出生地のいずれかの区市役所・町村役場となっていますので、窓口の受付時間などあらかじめ確認しておきましょう。
その他、具体的な書き方は、以下が詳しいです。参考にしてください。

 ● 住民票ガイド:出生届
届出期間生まれた日から14日以内(出生日当日を含む)
届出地住所地、本籍地、出生地のいずれかの区市役所・町村役場
届出人母、または婚姻している父(代理人の任命も可)
必要なもの出生届(右半面の出生証明書に、医師または助産師による証明のあるもの)1通
印鑑
母子健康手帳


出生届での名付けルール

ルールといっても、ぶっちゃけ言ってしまえば、出生届の「子の氏名」欄に記入し、役所に提出すれば、名付けは終了です。
出生届の欄外には、ルールらしき一文が書かれています。
子の名は、常用漢字、人名用漢字、かたかな、ひらがなで書いてください。
「常用漢字」とは、日常生活で用いられるとして政府が選定した漢字2136文字。
「人名用漢字」とは、常用漢字以外で戸籍に利用できる漢字のことです。
詳しくは、以下のリンク先を参照ください。

 ● 常用漢字一覧
 ● 人名用漢字一覧

そのほか、戸籍のルールとして、同一戸籍内で同じ名前はつけることができません。戸籍には読み方は登録されないので、たとえ読みが違っていても、漢字名が同じならばNGとなります。
また、常用漢字や人名用漢字であっても、その名前が子どもに悪影響を及ぼすことが予想されるようなケースは、役所で受理されない可能性があります。
最近のキラキラネームの隆盛で、なんとも言えないのですが、さすがに「尿」や「糞」では受理されないのではないでしょうか。

最後に、人名漢字を定めた審議会の声明を紹介します。
子の名というものは,常用平易な文字を選んでつけることが,その子の将来のためであるということは,社会通念として常識的に了解されることであろう。(Wikipedia「人名用漢字」より)
子どもの名前が、どんどん難解になる現代において、「名前は簡単なのが良い」という先人の言葉は、改めて見直すべきものでしょう。



2.名付けの流儀


出生届の提出期限が14日以内と短いため、赤ちゃんが生まれる前に、あらかじめ名前の候補をいくつか絞っておいた方が良いでしょう。

名付けのパターンいろいろ

名付け方法には、以下の4種類があります。

■名付け型
1.「読み(せん)」型読みや音から漢字を当てはめる名付け方法。要するに、当て字。
2.「意味からの願い」型表意文字としての漢字を組み合わせていく。
たとえば「健」や「光」「花」など。「優子」なども、その一種。
3.「名前(まと)い」型著名人や偉人、架空の人物の名前をもらう。
「龍馬」「将門」「道真」など。
4.「血縁」型両親や祖父母などの血縁者の名前と関連させて名付ける。
漢字の一字を継承する、など。たとえば「秀吉」→「秀頼」。
5.その他もはや名前とは気安く呼ぶことはできない…と絶望させられるもの。
なんか、形容詞がついていたり…。本稿では扱いません。

最近は、圧倒的に「1.読み先」のパターンが多いように見受けられます。
この「読み先」型について、どのような「読みや音」を利用するかで、以下のように分類できます。
■「読み先」型で利用される読みの種類
a.外来語その音で表現される外来語の意味を、名前に込める。
キラキラネームと認定される危険性がある。
例:「頼音(ライオン)」(獅子)、「澄海(スカイ)」(空)
b.日本語単語その音で表現される日本語の単語の意味を名前に込める。
例:「蒼空(そら)」、「大翔(つばさ)
c.人名人名として普及している音に、好きな漢字を当てはめていく。
例:「礼於(れお)」、「奏太(そうた)
d.その他単語ではない音に、漢字を当てはめていく。擬音や形容詞、副詞などに近い。
例:「陽毬(ひまり)」、「唯愛(ゆあ)

さらに「読み先」型については、「読みや音」に対する漢字の当てはめ方についても、以下の3通りがあります。
いわば「当て字の流儀」といったものでしょうか。
■「読み先」型における漢字の利用パターン
α.完全一致漢和辞典で、漢字の読みとされている音を利用する。
例:「姫虎(きとら)」、「頼音(ライオン)」、「湯女(ゆな)
β.不完全一致漢字の読みの一部だけ利用する。
キラキラネームと判断されることもある。
例:「結愛(ゆあ)」((あい)の「あ」の音のみ)、「蒼空(そら)」((そう)の「そ」の音のみ)
θ.意味リンク読みが一致しなくても、名前の音と同じ意味の漢字を当てていく。
ぶっちゃけ誰も読めません。
例:「大虎(タイガ)」、「大翔(つばさ)」、「泡姫(アリエル)
極端な当て字は、キラキラネームとされがちです。
特に「θ.意味リンク」パターンの当て字は、たとえ漢和辞典の編者であっても絶対に読めないので、キラキラネームと認定されやすい名前となります。
また「β.不完全一致」パターンも、市販の名付け本や名付けサイトで普通に見かけるようになりましたが、キラキラネーム扱いされることも多いようです。
「市販の本だから、大丈夫」という保証は一切ありません。
最後に頼れるのは、自分自身です。

名付け手順 ひとつの例

たとえば、子どもの名前を決めるとき、どのような流れで決定していくか、ひとつの例を紹介したいと思います。
あくまでも、ひとつの参考例としてご覧ください。

1.子どもの属性を確認する

子どもの性別、国籍、民族、出産予定月などの情報を確認します。
この情報は、名付けをする前提となる情報です。
たとえば、灼熱の真夏に生まれたのに「雪子」だったり、1月に生まれたのに「葉月」だと、違和感を抱かれることがあります。
もちろん、性別も名前を決める大きな要素のひとつです。男の子に「妹子」と名付けるのは、現代日本では、さすがに絶句されるので注意しましょう。


2.読みを決める

今回は「読み(せん)」型での名付け手順の例のため、最初に読みを決めることにします。
まずは、名付けサイトや名付け本などを閲覧し、とりあえず気になった名前を片っ端からメモしていきます。
このとき、ExcelやGoogle スプレッドシートなどの表計算ソフトを利用すると便利です。
ここまでが一次選考です。

次に、候補を絞り込んで厳選します。いわば二次審査です。ここでは、最初に確認した属性や、同音異義語などに注意しながら、取捨選択していきます。
そのとき、ネット検索が非常に有効です。
余計な検索キーワードもつけずに、命名しようと思っている名前だけをひらがなで入力して検索してみてください。
たとえば、日本語では可愛らしい「るか」「あんり」という女性名も、イタリアやフランスなどでは男性の名前だったりします。そればかりか、言葉そのものが不吉な意味を持っていたり、あるいは卑猥な言葉だったりするかもしれません。気づかずに「ミズコ」や「ホト」などと名づけてしまう悲劇も容易に想像できます。
手軽にネットで調べることができる時代です。是非とも活用しましょう。


3.漢字を当てはめる。

読みが決まったら、その音に漢字を当てはめます。
注意するのは、以下の3点です。
 ◆漢字を当てはめるときの注意点
 (1) 利用できる漢字は、常用漢字人名用漢字だけ。  (2) 漢字一つひとつの意味にも注意。  (3) 漢字の組み合わせ(熟語)の意味にも注意
漢字は、表語文字なので、一文字一文字に意味があります。その意味にも注意する必要があります。
たとえば「昏」という漢字には「子供が生まれて、名前をつける前に死ぬこと」という、まったくシャレにもならない意味があったりします。
あまり過敏になりすぎるのも良くないですが、とはいえ不吉な言葉やマイナスの意味を持つ言葉は避けておきたいものです。
念のため、一文字ずつ漢和辞典で確認することをオススメします。
 ◆ネットで検索できる漢和辞典の一例
 ・OK辞典  ・漢字辞典  ・ウィクショナリー

また、漢字単独では良い意味でも、組み合わせることによって名前にはふさわしくない単語になる可能性もあります。
たとえば「湯女/遊女」(ともに日本古来の売春婦の意味)や、「海星」(ヒトデ)など、字面だけでは気がつかない言葉もあるでしょう。
漢字の組み合わせについても、検索してみましょう。


4.声に出して呼んでみる。

あなたが命名しようとしている名前は、これから幾度も繰り返し口にする言葉になります。あなただけではありません。祖父母や友人、将来的には恋人や子どもたちにも呼ばれる名前です。改めて違和感がないか、声に出すことで、その言葉の「口当たり」を確かめてみましょう。

本サイトでは、以下の「呼びかけテスト」を推奨しています。
以下に5種類の写真がありますので、それぞれ被写体に向かって、これから名付けようと考えている名前で呼びかけてください。
◆名づけにおける5つの呼びかけテスト
①赤ちゃんの写真
名付ける予定の名前で呼びかけてください。
(例)太郎ちゃん、花子ちゃん
著作者:Kevin Wang Photography
Photo by Kevin Wang Photography



②子ども時代の写真
名付ける予定の名前で呼びかけてください。
(例)太郎、花子
小学生の男女



③成人後の写真
名付ける予定の名前で呼びかけてください。
(例)太郎さん、花子さん



④老年期の写真
名付ける予定の名前で呼びかけてください。
(例)太郎さん、花子さん



⑤ペットの写真
名付ける予定の名前で呼びかけてください。
(例)太郎、花子ちゃん

もしも、①〜④よりも⑤の方がしっくりくる名前だった場合、出生届を持って役所に行く前に、ペットショップに行った方が良いかもしれません。


最終的には、親が決断するものです。
周囲の雑音に一喜一憂せず、素敵な名前をプレゼントしてあげてください。
ただし、子どもたちが周囲の人々にも愛され、たくさんの人々に温かく迎え入れられる環境を整えてあげることも親の務めです。
いろんな人々から愛される名前をつけてあげましょう。